Zoner Photo Studio Xで夏の写真を「夏らしく」編集
日本は四季があり、春夏秋冬ごとに季節を感じられる物や風景が身近にあります。そして、ほんの少しだけ脚を伸ばせば、より季節感を強く見せる写真を撮ることもできます。
過去に撮影した写真たちの中から「これぞ日本の夏」と思える写真に編集してみませんか?
「Zoner Photo Studio X」(以下:ZPSX)を使えば、撮影時に肉眼で見た記憶に近い画像に編集することや、昨今のトレンドでもある色再現性の高い作品に仕上げることも可能ですので、今回は夏らしい写真の作例について紹介します。
Zoner Photo Studio X
プロのフォトグラファーも、写真の魅力を最大化するために現像ツールやエディターツールを使うことが当たり前になりました。もちろん撮影する現場で「見たままを再現できる」写真が撮れるなら最良ですが、人気のスポットは人が密集していたり、じっくり写真を撮ることが難しいです。そんなときは、撮る場所では撮ることに集中し、あとからツールで編集するほうが再現性を高められます。
そんなときはチェコで生まれた画像編集・管理ソフトZPSXが便利です。ZPSXは大量の画像も高速表示かつ軽快に検索・閲覧できるだけでなく、多彩な編集機能により写真を思い通りに加工できます。RAWデータを使った緻密な現像処理やJPEG画像の非破壊編集に加え、レイヤー編集やAdobe Photoshopプラグイン対応など、フォトレタッチツールとしても納得の機能を搭載するなど、画像編集、管理、現像、表示、共有、検索の全てに対応したソフトウェアです。
夏といえば海、オリジナルの写真はこちら
沖ノ島(おきのしま) OLYMPUS TG820 ISO:100 絞り:F3.9 シャッタースピード:1/160s 焦点距離:28mm(35mm換算) 千葉県館山市の沖ノ島は館山湾の南端に位置している無人島で、南房総国定公園の一つ。水質調査でも高い透明度を誇り足が地についている場所でも魚や水中植物が多く、水泳が不得意な方でも手軽に撮れる水中写真スポットです。
先ずは自動補正を使ってみる
スマートフォンの普及によってコンパクトデジタルカメラの販売数が減少しましたが、現在でも「水中撮影可能機種」は根強い人気となっていますので、少し旧い防水型コンデジで撮った水中写真の色調補正のために、簡単で手軽なZPSXの現像モジュールにある「自動補正」を使いました。
画像編集の前に2020年秋のアップデートで追加された機能の「バリアント」を作成しておけば、編集前後の効果を簡単に切り換えてプレビューできるので便利です。
編集後の写真
OLYMPUS DIGITAL CAMERAで撮影
陽光が水を通過することで色が失われ、そのまま撮影した写真は深海でなくても青カブリになってしまいますので、鮮やかに見せようとすると補正は必須です。試しに1クリックで色の鮮やさを再現するZPSXの自動補正を使ったところ、そのままでは色が濃く暗い画像になってしまいましたが、2020年秋のアップデートで追加された「プリセットの強度調整」を使い50%に下げたところ、陽光が射し込んだ海の中と悠々と泳ぐ魚がバランス良く表現され、さらに「かすみの除去」を行ったところ、肉眼で見ていたときのように再現されました。
水中撮影では色が失われてしまうのでストロボ発光が推奨されていますが、水中に漂っている浮遊物が目立ってしまうことも多くあります。撮影するカメラに「水中モード」がある場合はストロボ発光を避け、素直に機材の力に頼っておいたほうが後からの補正が少なく済みますので活用しましょう。
昨今ではスマートフォンでも数メートルの水深までを許容する機種が増え、手軽に水中撮影を楽しめるようになりましたが、メモリーカードを挿入する部分のカバーなどに、ほんの少しの体毛やチリが挟まっているだけで水が入り込んでしまうこともありますので、一眼レフカメラにウォータージャケットを装着して水中撮影する時と同じくらい注意してください。
日本の夏といえば花火
日本の夏の夜空を彩る花火も、写真愛好家の方々が好む被写体です。昨今のカメラの性能向上によって基本的な点を抑えておけば撮影に失敗することは減りましたが、SNSなどで訪問者にインパクトを与えるために、プロフィール写真に花火を大きくトリミングした画像を利用している方を見かけますが、いくらカメラの性能が上がったとは言え、思い切り拡大してしまうとノイズが目についてしまいます。
そんな時はZPSXの「現像」モジュールにある「ノイズの軽減」を使ってみてください。プレビュー画面を確認しながら数回のパラメーター操作をしてみれば、夜空に見えたチラチラしたノイズが抑えられます。
30秒もシャッターを開いたままにしているので三脚は必須。高いISO値で撮影してしまうとノイズが多くなってしまうので、可能な限りカメラ側で抑えておいたほうが編集の手間が減らせます
夏の花の代表といえばヒマワリ
夏の花と言えばヒマワリが代表格です。各地に観光用の大規模なヒマワリ畑が設けられるようになり、例年のように写真愛好家の方々で賑わっていますが、インパクトのある画像にするならHDR処理がおすすめです。
HDRとは、High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略称で、従来のSDR(スタンダードダイナミックレンジ)に比べて広い明るさの幅(ダイナミックレンジ)を表現する表示技術で、簡単に言えば明るい画像と暗い画像を合成することで、室内と屋外の両方を表示することができます。従来は広告写真などに多く用いられる手法でしたが、カメラのAEB(Auto Exposure Bracketの略称)機能で撮影した3枚以上の画像が必要だったことや、三脚でカメラを固定して撮ってもカメラ内部のミラーアップやシャッターの開閉で発生する振動で、撮影されたフレームに微妙なズレが生じ、3枚を合成したときにゴーストと呼ばれる影のような線が出てしまうなど、かなりの慣れが必要でした。
しかしながら10年ほど前からはカメラの性能向上によって現在ではテレビドラマでも使用される一般的なものになっていますが、AEBで撮っていなかった昔の写真でもZPSXの「プリセット」フィルターなら、コンピューター内部の演算処理によって「HDR」画像を手軽に創出することが可能です。
ZPSXの「現像」モジュールから「プリセット」の中にある「HDR – Strong」を選択。100%では少し効果が強すぎると感じたので、リアルタイムのプレビューを見ながらパラメーターを60%に下げています。
ZPSXで処理を行った写真。雲の表情とヒマワリの色鮮やかさが強調されました。強い色彩や光のメリハリが夏らしさを感じさせてくれることから、ヌケのよいクリアな夏空の日に撮影したくなりますが、花を撮影する場合は太陽が照りつけている晴天時よりも曇っている時のほうが、影がきつく出づらかったり光が反射した部分が白飛びをすることもなくおすすめですが、ZPSXを使えば簡単に見映えを良くできますので安心して撮影に出かけてください。
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